職場のトラブル相談「いじめ・嫌がらせ」がトップ

◆個別労働紛争解決制度とは

個別労働紛争解決制度は、職場の労使トラブルの当事者が利用できる、3つのトラブル解決方法(労働相談、助言・指導、あっせん)のことです。

労働相談は全国にある総合労働相談コーナー(労働局・労働基準監督署に設置)で受け付けており、助言・指導は労働局長によるもの、あっせんは紛争調整委員会によるものとなります。

主に労働者側からの利用になりますが、使用者側からの利用も可能で、費用は無料です。

個別労働紛争解決制度によると、訴訟による方法よりもトラブル解決までの期間が短いという傾向があり、これは労使双方にとってメリットです。

また、訴訟によるよりも解決のための費用が安く収まるのは、会社にとってメリットです。

トラブルは、大事(おおごと)になる前に対処するのが大事(だいじ)です。

◆令和元年度の状況

厚生労働省のまとめた令和元年度の状況では、「労働相談」(総合労働相談)件数は、12年連続で100万件を超えて、高止まりしています。このうち、労働条件その他の労働関係に関する事項のトラブル相談(労働基準法違反の疑いがある内容以外の民事上の個別労働紛争相談)は約28万件となっています。

そして近年、「民事上の個別労働紛争相談」、「助言・指導」、「あっせん」のいずれについても、「いじめ・嫌がらせ」に関する内容が、過去6年以上、相談件数のトップとなっていることが特徴となっています。

◆パワハラ防止法の施行

こうした情勢を背景に、職場のパワハラが問題となっており、今年6月にはパワハラ防止法(労働施策総合推進法)が施行され、企業にはパワハラを防止するための措置(就業規則や服務規律への企業の方針の明確化、相談窓口の設置、研修の実施、当事者のプライバシー保護等)が義務付けられました。中小企業については、2022年3月31日までの努力義務期間を設けたうえで、2022年4月1日から適用されます。

「あの会社でパワハラを受けた」といったことが、口コミやSNS等で広まってしまうと(その真偽はさておき)、企業にとっては人材採用や経営の面で悪影響があります。労使トラブルの芽は小さいうちに解決するようにしたいですね。

【厚生労働省「令和元年度個別労働紛争解決制度の施行状況」】

https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/000643973.pdf