対策はお済みですか?
「従業員による介護」をとりまく最新事情

◆施行から1カ月!「改正育児・介護休業法」
先月、育児・介護休業法の改正法が施行されました。
報道などでは「育児」のほうがクローズアップされがちですが、もう一方の「介護」も要注目の改正となっています。
 
◆1月から変わった「介護休業」
従業員の介護休業に関する今年1月からの改正点は次の通りです。
(1)介護休業の分割取得が可能に(3回を上限に通算93日まで)
(2)介護休暇の取得単位が柔軟化(半日単位も可能に)
(3)介護のための所定労働時間の短縮措置の回数増(介護休業とは別に3年間で2回以上)
(4)介護のための所定外労働の制限の新設(介護終了まで所定外労働を制限)
 
この他にも、介護の対象となる家族の範囲が拡大されたり、有期契約労働者の介護休業取得要件が緩和されたりと、全体的に従業員の「就業と介護の両立」をより柔軟に支援する方向性での改正と言えます。
今後、介護のために休業を希望する従業員が増えることが予想されます。
改正法はすでに施行されていますので、介護休業の運用体制がまだ整っていないという企業は、今すぐ就業規則や社内規程を見直さなければなりません。
 
◆マタハラ防止は当たり前。ケアハラ防止も忘れずに
さらに、今回の改正では、介護を理由とする従業員への不利益な取扱い(介護ハラスメント。通称「ケアハラ」)の防止措置が新たに義務付けられました。
介護休業を取得しようとする従業員に対し、休業を拒否したり、復帰後に閑職へ追いやったり、心無い言葉をかけるような行為が発生したりした場合、その企業は法的責任を追及されるおそれがあります。
防止措置とは、例えば社内報・研修・パンフレットなどで企業としての方針を周知・啓発することや、苦情を含む相談の窓口を設けることなどです。
これらはマタハラの防止と共通する措置でもあります。
 
◆企業もダブルケア対策の時代
「ダブルケア」という言葉をご存知でしょうか?
横浜国立大学の相馬准教授とブリストル大学の山下上級講師による造語であり、「子育てと介護が同時期に発生する状態」を指します。
近年は晩婚化の影響で、子育て期間と親の介護期間が重複しやすい傾向にあり、ダブルケアに直面する人が増えています。
内閣府の推計によれば、ダブルケアを行っている人は男性8万5,000人、女性16万8,000人で、この数字は今後、年々増加することでしょう。
企業にとっても、「育児休業やマタハラへの対応」と「介護休業やケアハラへの対応」の両立が必要です。今回の法改正をきっかけに、従業員のダブルケア対策を急ぎましょう。